4億という破格の開店資金を投じてオープンした麻布十番の「マハラジャ」。しかし、84年当時の麻布十番は都心でありながら行きにくい場所。「なぜ麻布十番に?」と反対する声も多かった。
「批判は多かったです。でも批判の多い時にこそ当たる気もする。この商売はバクチのように思われがちですが、事前準備をおこたらず満足度の高いサービスを積み重ねていくことで成功に転じる。4億の資金はすぐに回収できました。なにより開店の時に集まったスタッフ70名が優秀だった。いろんな店から優秀な人材を集めましたから。例えば70名のスタッフが2名ずつお客様を連れてくれば140人。仕事はなんでもそうだと思いますが、人と人とのつながりで広がる。『あの人がいるから行ってみようか?』と思ってもらええるような魅力のある人間が多かったですね。そこでは『お客様には夢を見せてあげよう、お客様もスタッフも花になろう』というコンセプトでやっていました。